国連と世銀のJPOが始まったので、給料の話

www.mofa-irc.go.jp

www.worldbank.org

今年も国連と世銀のJPOが始まりました。世銀はリクルートメントミッションとミッドキャリアも並行して進んでいます。

今回は国連と世銀の給料の違いについて書いてみたいと思います。

 

1. 国連と世銀の給料テーブル

国連と世銀ではグレードのシステムが違うため正確な比較は難しいのですが、必要経験年数をもとにざっくりと分類すると下記のようになると思います。

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通貨は米ドル、勤務地は比較のためにワシントンDCを想定しています。

国連の給料はhttps://info.undp.org/gssu/onlinetools/SalCalcInt/SalCalcInt.aspxから、世銀の給料は

http://documents.worldbank.org/curated/en/669791531496342387/pdf/2018-Review-of-Staff-Compensation-for-the-WBG-and-Awards-Allocations-Public-Disclosure-07102018.pdfの各グレードのMidpointの給料を拝借しました。

一目瞭然ですが、世銀の方が1.5-2倍程度高く、特に上のグレードに上がれば上がるほど差が開いていくことがわかります。

ちなみに、国連P2でニューヨークやジュネーブに勤務してたりすると、まったく貯金は貯まりません。なんとか生活できるというレベルです。

 

2. なぜ世銀の方が高い?

世銀は給料を決定する際にMarket Referenceから算出しているようです。要は、転職市場で同じ人を普通の会社が取ろうとしたらどれぐらいかかるか?という目線です。一方で国連職員の給料は基本的にドナー国の一存で決められます。

2000年以後、国連職員は給料カットが行われていったのに対し、Market Referenceをする世銀は世間の賃金増に合わせ順調に上がっていきました。結果として給料差はどんどん大きくなりました。

下記を見ると、例えば2005年時点では国連P3と世銀GFの給与差はまだそれほどなかったことがわかります。

国連:2005年時点でのワシントンDCでのP3給与:85,245USD

国連:2019年時点でのワシントンDCでのP3給与:76,959USD

世銀:2005年時点でのワシントンDCでのGF給与:88,140USD

世銀:2019年時点でのワシントンDCでのGF給与:123,100USD

http://ficsa.org/component/sobipro/?task=download.file&fid=37.1913&sid=1462&Itemid=0

 

 3. 福利厚生

世銀の福利厚生は、アメリカで勤務している限り教育費が出ません。一方で国連では教育費の75%、最大で30,000USDほど教育費が手当てされます。給与差を考えれば、子供が2-3人以上いる人であれば、国連の方がトータルの収入は大きくなるかもしれません。

(ただし、世銀以外の開発金融機関では教育費も出ますし、世銀でもアメリカ以外の国で勤務していれば支給されますが。。。)