昇進しなければいけないというわけではない
前回のポストで、P3やP4で国連に残るかどうかというのは重い決断、と書きました。
書き方が少し悪かったのですが、これは別にP3やP4で残り続けることを否定するものではありません。
むしろ、P5やD1に昇進するよりもP3やP4で仕事し続けることを能動的に選ぶのも、十分あり得る選択肢だと思います。
大きな理由は国際機関の給与、責任体系にあります。
P4の単身者がニューヨークで働いた場合の給与は年間107,385.04ドルです。D1だと146,806.13ドルです。
一方で、その他の家賃補助や教育費用補助は変わりません。
P4とD1というのは金融業界でいうとSenior AssociateとDirectorぐらい責任の重さが違うポジションで、そこで40,000ドルの差というのは(日本だとこんなもんかなという感じもしますが)、結構信じられないくらい小さいのです。
ましてたいていの場合は夫婦共働きで、どちらかが必死で稼がなければいけないという状況でもなく、一方で昇進するにしたがって忙しさも組織内での政治的な争いもどんどん激しくなっていきます。
結局P3やP4ぐらいが「給料も悪くないし、自分の生活とバランスもとれるし、不要なストレスもかからないし、仕事は地に足のついたものでそれなりに楽しく、一番良い」という判断になるのは、結構頷けることなのです。